業務用エアコンの処分方法!撤去費用や法律をしっかり解説
店舗やオフィスなどで使っていた業務用エアコンの処分を考えておられる方に、処分方法をご説明します。
家庭用エアコンとは異なり、業務用エアコンには守らなければならない法律があります。法律をきちんと理解して、正しく処分しないと処罰されます。
この記事では、業務用エアコンを処分するために知っておかなければならない法律や処分方法、処分費用や処分時の注意点もまとめましたので、処分の際の参考になさってください。
目次
業務用エアコン処分で守らなければならない法律について
業務用エアコンを処分する際に知っておかなければならない用語と法律について、最低限知っておくべきことをわかりやすく簡単にまとめました。
フロンとは?
最もたくさんフロンが使われているのは冷媒用途です。モノを冷やしたり、温めたりするための機械を冷凍空調機器と呼んでいますが、これらの機械の多くは、フロンが冷媒として使われているのです。つまり、業務用エアコンにも冷媒としてフロンが使われています。
フロンは自然界には存在しない物質で、分解しにくく人体にも無害ですが、成層圏のオゾンを破壊することがわかりました。つまり、フロンは、地球温暖化に多大な影響を与えています。
フロン排出抑制法とは?
フロン排出抑制法とは、フロンの排出を抑制するため、平成27年4月に施行された「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」です。
業務用エアコンを処分する際は、フロン排出抑制法に基づき、エアコン内のフロンを都道府県の許可を受けた回収業者に依頼する必要があります。回収せずに機器を廃棄すると、行政指導などを経ることなく即座に刑事罰(50万円以下の罰金)に処せられます。
業務用エアコンの処分方法
業務用エアコンの処分方法は、家庭用エアコンとは全く異なります。業務用エアコンの処分方法は法律によって決められていますので、正しく適切に処分しましょう。
フロン回収業者に依頼
フロン回収業者とは、業務用エアコン、業務用冷蔵冷凍機器等(第一種特定製品)を整備する(=冷媒フロン類を充塡、又は整備・廃棄等を行う)際に冷媒フロン類を回収する業者のことで、その業者を第一種フロン類充塡回収業といい、都道府県知事の登録を受ける必要があります。
フロン回収業者に依頼して、業務用エアコンに残っているフロンガスを回収してもらいます。フロンの回収が完了すると、回収業者から「引き取り証明書」と「フロン回収済み」と書かれた緑色のシールが発行されます。
引き取り証明書は、産業廃棄物処理業者へ業務用エアコンの処分を依頼する際に必要になるため、必ず受け取ってください。
産業廃棄物処理業者に依頼
業務用エアコンは、フロンを回収して初めて産業廃棄物として業者へ引き渡せます。フロンを抜かないままでは処分できません。
前項で説明したフロン回収業者が発行した「引き取り証明書」と「フロン回収済み」を産業廃棄物処理業者に渡してエアコン本体などの処理を依頼します。
フロン回収と産業廃棄物回収を同時に依頼
最近では、フロンの回収と産業廃棄物処理を同時に請け負っている業者も存在しています。
ワンストップで処理が完結できるので、時間や手間をかけられない時などに利用すると便利です。
不用品回収業者に依頼
フロンを回収した業務用エアコンの処分は、不用品回収業者に依頼することもできます。不用品回収業者の場合、エアコンだけでなく他の不用品も一緒に処分を依頼できるので便利です。ただし、産業廃棄物取扱許可を受けていることが必要です。
また、不用品回収業者によってはフロン回収もできる業者もありますので、そのような業者は使い勝手がいいです。
【関連記事】オフィス家具・事業ゴミの処分方法と不用品回収業者選びのポイントについて、さらにお知りになりたい方はこちらの記事もどうぞ!
業務用エアコン処分の流れ
業務用エアコンの処分の流れは、他の産業廃棄物の処分の流れと異なります。こちらに記載の方法・順序で適切に処分してください。
マニフェストを作成
マニフェストとは、産業廃棄物管理表のことで、事業者が産業廃棄物の処分手順を把握・管理するための伝票で、廃棄物処理法で発行が義務付けられています。
受託業者が作成することもありますが、本来、業務用エアコンの処分を行う事業者が発行すべき書類です。廃棄物が正しく処理されているか確認するために事業者自身で作成することがのぞましいです。
フロンを回収
フロンガスの回収をフロン回収業者やフロン回収を行える産業廃棄物処理業者、不用品回収業者に依頼しましょう。フロンガスの回収が終わった後発行される「引き取り証明書」と「フロン回収済み」を必ず受け取ってください。「引き取り証明書」は、産業廃棄物処理業者へ業務用エアコンの処分を依頼する際にも必要になります。
フロンガスの回収と本体機器の処分を別の業者に依頼することも可能です。事業者のご都合に合わせてください。
エアコン機器撤去と処分
業務用エアコンは、フロンを抜いて初めて産業廃棄物として業者へ引き渡せます。
業務用エアコンからフロンを回収した後、エアコン機器の撤去をしなければなりません。業務用エアコンは大がかりなものが多いので、エアコン機器の撤去は専門業者に依頼すると安心です。
不用品回収業者によっては、フロン回収・機器撤去・処分を行うことができます。
業務用エアコン処分費用相場内訳
業務用エアコンの処分費用相場をまとめました。ただ、エアコンの種類、大きさ、メーカーなどによって費用は異なりますので、あくまで目安とお考え下さい。
フロンガス回収費
フロンガスを回収する場合、以下の項目の費用がかかります。
作業内容 | 費用相場 |
---|---|
フロンガス回収基本料金 | 15,000円~ |
フロンガス回収費 | 1,000円程度/1㎏ |
フロン再生・破壊費 | 1,200円程度/1㎏は |
破壊証明書発行費 | 3,000~6,000円 |
上記の他に、出張費や機材運搬搬入費などがかかる場合もあります。
業務用エアコンの冷房能力などによって費用が異なりますが、フロン回収のトータルで25,000~50,000円/1台程度かかります。複数台の場合、2台目以降、割引になることもあります。
本体機器の撤去及び処分費用
業務用エアコンの撤去費用は、機器の形状や大きさ、設置場所によって異なります。室外機や付属品も含めて4~10万円/1台となります。
壁掛型・床置型は取り外しが比較的容易なので3~5万円、天井吊型・天井埋込型などは難しい作業を必要とするので7~10万円程度かかります。
運搬・処分費用
業務用エアコンを運搬・処分する費用は、台数や運搬に必要な作業員の人数によって変動します。業者によっては、業務用エアコンの撤去費用に、回収や運搬の費用が含まれている場合もあります。依頼時に見積もりをとってきちんと確認しておくとよいでしょう。
業務用エアコン処分時の注意点
業務用エアコンの処分方法、費用などを見てきました。ここでもう一度、業務用エアコンを処分する際に気を付けるポイントをまとめました。しっかり読んでいただき、法律に反して罰せられたりすることのないようご注意ください。
家庭用エアコンとは処分方法が違う
家庭用エアコンは、家電リサイクル法対象4品目になります。家電リサイクル法に従って処分しなければなりません。一方、業務用エアコンは、フロン排出抑制法と廃棄物処理法に従わなければなりません。
よって立つ法律が違うので、当然、処分方法も異なります。それぞれの法律に従って、適切に処分しましょう。
【関連記事】家庭用エアコンの処分方法や費用について、さらにお知りになりたい方はこちらの記事もどうぞ!
正しく廃棄しないと処罰の対象
最初の章でご説明したように、業務用エアコンの処分では、フロン排出抑制法に基づき、エアコン内のフロンを都道府県の許可を受けた回収業者に依頼する必要があります。
回収せずに業務用エアコンを廃棄すると、行政指導などを経ることなく即座に刑事罰(50万円以下の罰金)に処せられます。
引き取り証明書が必要
フロン回収業者に依頼して、業務用エアコンに残っているフロンガスを回収してもらうと、回収業者から「引き取り証明書」と「フロン回収済み」と書かれた緑色のシールが発行されます。
産業廃棄物処理業者へ業務用エアコンの処分を依頼する際には、引き取り証明書が必要になるため、受け取ってください。
産業廃棄物処理業者に依頼
業務用エアコンは、フロンを抜いて初めて産業廃棄物として業者へ引き渡せます。フロンを抜かないままでは処分できません。
処理を依頼する業者は、産業廃棄物取扱の許可を得ている業者に限られます。依頼する場合は、その確認が必要です。
不用品回収業者に依頼するときは、産業廃棄物取扱の許可が必要
フロンの回収が済んだ業務用エアコンの処分は、不用品回収業者に依頼することもできます。ただ、不用品回収業者に依頼するときは、その業者が産業廃棄物取扱の許可を得ていることが必要です。依頼時には必ず確認してください。
業務用エアコンの処分ならエコキャットにおまかせ!
業務用エアコンを処分する方法には、いろいろな方法がありました。不用品回収業者に依頼するのは、一つの選択肢としておすすめできます。
なかでも、「エコキャット」は一押しです。エコキャットは、産業廃棄物取扱の許可を得ている業者なので、業務用エアコンの処分を安心しておまかせできます。
さらに、エコキャットは、フロンの回収も、業務用エアコンの撤去も依頼していただけます。回収と撤去、処分がワンストップで依頼できる点がとても便利です。
エコキャットでは、ご相談・お見積もりはもちろん、出張見積もりも無料ですのでお気軽にご相談ください。