猫の抜け毛がひどい時の対策は?換毛期のケアや対策グッズ

猫の抜け毛がひどい時の対策は?換毛期のケアや対策グッズ

猫の毛が抜けて、衣服や部屋のファブリックなどにくっついてしまうことはよくあります。

長毛種の猫を室内で飼っていると、季節によって大量の抜け毛が発生して飼い主さんを悩ませることもあるでしょう。

本記事では、そんな猫の抜け毛対策やお部屋の掃除法、おすすめの対策グッズなどを紹介していきます。

 

猫種や毛種によって抜け毛の量は大きく異なる

部屋のあちこちに散らかったり、衣服にくっついて飼い主を悩ませる猫の抜け毛。

猫の種類によって、抜けやすい毛種や季節によってたくさん抜ける毛種などがあります。

 

もちろんたくさん抜けて目立つのは、毛の長い「長毛種」ですが、「短毛種」も抜け毛が起こらないわけではありません。

しかしこの「長毛種」「短毛種」という長さによる分類以外にも、「ダブルコート」「シングルコート」というタイプわけがされているのです。

 

シングルコートとダブルコート

「シングルコート」は毛の長さが均一なタイプの毛種で、「ダブルコート」は硬さや長さの異なる2種類の毛(オーバーコートとアンダーコート)が混在しているタイプの毛種です。

一般的にシングルコートよりはダブルコートの毛種の方が、季節によってたくさんの毛が抜けるとされています。

 

たとえば

  • アメリカンショートヘア
  • マンチカン
  • スコティッシュフォールド
  • ペルシャ
  • ラグドール

などは、短い毛と長い毛の両方が混じっている、「ダブルコート」タイプの毛種の猫です。

ダブルコートの猫には「オーバーコート」と「アンダーコート」の2種類の毛が生えているのが特徴。

「アンダーコート」はぽわぽわフワフワとした毛質で、寒い季節に合わせて生えて、暑くなる前に抜け落ちる仕組みになっています。

 

いっぽう

  • シャム
  • ベンガル
  • シンガプーラ
  • デボンレックス
  • メインクーン

上記の猫種は「シングルコート」に分類されています。

「ダブルコート」タイプの猫とは異なり、季節を問わず抜け毛が出るのが特徴です。

これらシングルコートタイプの毛はまとめて生え変わることはありません。

しかし、決して抜け毛がまったくないというわけではありませんので、それなりに抜け毛対策は必要です。

 

このように、猫の種類や毛種、毛の長さによって抜け毛の多さは大きく異なります。

まずはおうちの猫ちゃんがどのタイプの毛種なのかを知ることからはじめましょう。

 

春などの換毛期は抜け毛がもっとも多くなる季節

猫の毛には抜けやすい季節というものがあります。

この抜けやすい季節のことを「換毛期」と呼びます。

 

日本国内で生活している猫の換毛期は、一般的に春と秋。

春は暖かくなってくる3月頃からアンダーコートヘアが抜けはじめて夏毛に生え変わり、冬は寒さが強まる11月頃に冬毛が生えてきます。

人間の衣替えと同じ感じですね。

 

ちなみにこの「換毛期」が明確なのは、ダブルコートタイプの猫ちゃんです。

シングルコートタイプは通年で毛が抜け変わるタイプなので、季節によってまとめてごっそりと抜けるようなことはほとんどありません。

 

日ごろのブラッシングが抜け毛の予防に

猫の毛には「太くてしっかりとしたトップコート」と「ぽわぽわと柔らかなアンダーコート」の2種類の毛が生えています。

換毛期に抜ける毛の8割はこのアンダーコートのため、抜け落ちてしまうまえにブラッシングで取り除いてあげることが抜け毛対策としても効果的です。

 

ブラッシングで抜け毛を減らす

定期的にブラッシングしてあげることで、身体にくっついた状態の抜け毛が抜け落ちてしまう前に取り除けます。

換毛期にブラッシングをしてみると、あまりの抜け毛の量にきっと驚くはず。

慣れないうちは無理にする必要はありませんので、まずは猫ちゃんが嫌がらないブラッシング方法でケアしてあげましょう。

 

グルーミングによる毛玉の吐出しも抑えられる

あらかじめブラッシングなどで抜け毛を取り除いておいてあげると、グルーミングの際に飲み込んでしまう毛の量を少なくできます。

毛を飲み込む量が減れば、その分毛玉を吐き出す機会や量も減るため、猫ちゃんの健康のためにもおすすめです。

逆に「最近よく吐き出すな」と感じたときには、積極的にブラッシングをしてあげるようにすることも大切でしょう。

 

換毛期はできれば1日に2~3回はしたほうが良い

ブラッシングの頻度は、猫の毛種や長さによっても異なります。

一般的に短毛種の場合には週に3~4回、長毛種の場合には日に1~2回程度のブラッシングが良いとされています。

ただしダブルコートタイプの猫ちゃんの場合には、換毛期に多くの毛が抜け変わるため、その時に応じて頻度を高めてあげることも大切です。

場合によっては1日に2~3回ほどのブラッシングが必要となることもあります。

抜け毛の状態や、猫ちゃんのご機嫌などを見ながら、スキンシップを兼ねてブラッシングをしてあげるようにすると良いでしょう。

 

換毛期のみシャンプーをするのも効果的

猫は汗をかくことがなく自分でグルーミングもできるため、基本的にはシャンプーなどは必要のない動物です。

ただし長毛種の場合換毛期に合わせてシャンプーをしてあげることで、抜け毛が落ち着くのも早くなるため抜け毛対策として効果的です。

水が苦手な猫ちゃんも多いので、自宅でのシャンプーが大変な場合には、トリミングサロンなどへ依頼するのも良いでしょう。

抜け毛予防にもなるほか、毛玉や皮膚炎などの予防にもなるのでおすすめです。

 

場合によってはサマーカットも検討

長毛種の猫ちゃんの場合には、抜け毛防止と暑さ対策を兼ねたサマーカットを検討するのも良いでしょう。

猫用の電動バリカンを使って自宅でカットされるかたもいますが、お部屋に毛が散らかってしまう他、慣れないと猫ちゃんが怖がって逃げ回ってしまい大変です。

できればプロのトリマーさんなどにお任せしてしまった方が、安全できれいに仕上がるでしょう。

トリミングに費用は掛かってしまいますが、年に一度程度、抜け毛対策として考えれば決して無駄なコストではないはずです。

 

抜け毛は仕方ないから放置していても構わない?

ブラッシングは面倒だし、そのままでも良いのでは?と思われる人もいるかもしれません。

ですが飼い猫の場合、抜け毛を放置しても良いことはほとんどありません。

換毛期などに抜け毛を放置してしまうと、以下のような問題が発生してしまうためです。

  • 毛球症のリスクが高まる
  • 部屋が毛だらけになる
  • アレルギーの原因になる

 

毛球症のリスクが高まる

毛球症とはグルーミングで飲み込んだ毛が体外へと排出されず、胃や腸で塊となって詰まってしまう症状をいいます。

毛球症になってしまった場合、最悪腸閉そくを起こしてしまうこともあり非常に危険です。

 

動物病院では毛玉除去剤を処方して、毛玉を吐き出せるようケアを行います。

しかし大きくなりすぎている場合や腸閉そくを起こしている場合には、手術で取り除かなくてはなりません。

抜け毛を放置すれば、そのぶん体内へと入る毛が多くなります。

必ずしもそれが毛球症を招くというわけではありませんが、少なからずそのリスクは高くなるでしょう。

 

部屋が毛だらけになる

こまめにブラッシングをしてあげれば、あらかじめ抜け落ちる分の抜け毛を取り除けます。

しかしそのまま放置してしまえば、抜けた毛が落ちて部屋のあちこちに散らばってしまうでしょう。

 

床やソファなどは日常的にお掃除しているので何とかなるかもしれませんが、テレビ裏や冷蔵庫の上、電話台の後ろなどお掃除しにくい場所にも猫の毛はたまりがちです。

もちろん抜け毛ケアをしていても、こうした場所には猫の抜け毛はたまってしまうものです。

しかし換毛期を迎えた猫のムダ毛を放置した場合には、その比ではないほど大量の抜け毛が部屋に舞うことになるでしょう。

 

アレルギーの原因にもなる

猫の抜け毛には猫アレルギーの原因にもなりうる、たんぱく質が含まれたフケや唾液が付着しています。

適度にブラッシングやシャンプーをしてあげることで、猫の身体についている原因物質を取り除けます。

また毛のからまりや抜け毛を取り除くことは、猫自身の皮膚トラブルやアレルギーによる皮膚炎の予防にもつながるのです。

アレルギーを持っていない場合にはそう神経質になる必要はありません。

しかし抜け毛を除去してあげることは、猫と飼い主の健康にもつながることを知っておくと良いでしょう。

 

猫の抜け毛対策におすすめのブラシ

ここでは猫の抜け毛対策に最適なブラシをいくつか紹介します。

 

シンプルな目の粗いコーム

引用:http://furutsuka.com/item4

ブラッシングになれていない飼い主さんも猫ちゃんも、比較的抵抗なく使えるのがこのような目の粗いコームです。

短毛種も長毛種も関係なく使えるのも、大きな特徴。

猫ちゃんをてのひらでなでつつ、毛流れに沿ってコームを滑らせていくと、猫ちゃんも嫌がらずにブラッシングさせてくれることでしょう。

長毛種で毛玉ができていて引っかかるときなどは、無理をせずに優しくとかしてあげるようにしましょう。

 

ファーミネーター(アンダーコート用ブラシ)

画像引用:https://spectrumbrands.jp/article/pet/nukegephoto-cat/

換毛期の抜け毛をごっそりと取り除くなら、「アンダーコート用ブラシ」がおすすめです。

アンダーコートブラシの特殊な形状の歯が、不要なアンダーコートを効率よく取り除いてくれます。

なかでも人気が高いのが、「ファーミネーター」というアンダーコート用ブラシです。

抜け毛を取り除く効果に優れているほか、猫ちゃんも気持ちよさそうにし、喜んでブラッシングさせてくれる子も多いと評判。

あまりの人気ぶりに模倣品なども出回っているようですので、購入の際にはご注意ください。

 

岡野製作所 スリッカーブラシ

画像引用:https://www.petokano.com/life/brush_01.html

複数の細かなピンがついたスリッカーブラシも、長毛種の抜け毛を取り除くのに適したブラシです。

スリッカーブラシは、抜け毛対策としてだけでなく、長毛種の毛のほつれや毛玉とりにもおすすめ。

ハードタイプとソフトタイプの2種類のタイプのものがあるので、毛種や猫ちゃんの好みに合わせて使うと良いでしょう。

ハードタイプで力を入れてブラッシングしてしまうと、皮膚を傷つけてしまうこともあるので、慣れないうちはソフトタイプを選ぶのもアリです。

 

レディッカー高級猫用ブラシ

画像引用:https://www.soluno.jp/c/redecker/39715235-a01so

レディッカー高級キャットブラシは、やわらかで皮ふ当たりの良い豚毛のペットブラシです。

短毛種の猫ちゃんのブラッシングにも使いやすく、ブラッシングしてあげると毛がふわふわサラサラに仕上がると評判。

アンダーコート用ブラシやスリッカーブラシなどと、あわせて利用している人も多いようです。

 

毛種に適したブラシを選びましょう

ブラシを選ぶときは長毛種用と短毛種用の、どちらに対応しているものかを確認してから購入することが大切です。

それぞれもう種に合わせたブラシを選ぶことで、効果的に抜け毛を取り除けるほか、猫の皮膚を傷つけてしまうことも防げます。

パッケージなどに対応するもう種などが記載されているものがほとんどですので、店頭で購入する際は確認して選ぶようにしましょう。

 

猫の抜け毛を効果的に掃除する方法

日ごろブラッシングなどの抜け毛対策をしていても、猫の抜け毛は発生してしまうものです。

散らばってしまった部屋の抜け毛を効率よくお掃除するには、どのような方法が良いのかまとめてみました。

 

フローリングはフロアワイパー

フローリングなど床の掃除には、クイックルワイパーなどのフロアワイパーを活用するのがおすすめです。

毎日お掃除できるのであれば、ドライシートでササっとフロア掛けするだけでOKです。

ホコリやざらつきが気になる場合はウェットタイプでも良いですが、場合によっては猫の毛が床に貼りついてしまうこともあるので、乾拭きするようにした方が効果的。

掃除機を使う場合には、排気で毛を巻き上げてしまわないよう、枝葉を短時間で済ませるのがポイントです。

 

換気や空気清浄機も活用して

掃除の際、空気中に猫の抜け毛が舞ってしまうのが気になるという場合に有効なのが、空気清浄機です。

人の動きや掃除機の排気で空気中に舞ってしまう毛も、空気清浄機がきれいに吸い取ってくれます。

空気清浄機以外にも、窓を開けての換気もおすすめです。

できれば部屋の2か所の窓を開けて、空気の通りを良くしてあげながらお掃除をすると、部屋の中に毛がたまりにくくなりますよ。

 

ラグやソファはコロコロや

ソファやラグ、布製のキャットタワーなどには、どうしても毛がくっついてしまいます。

このように布に貼りついてしまった抜け毛は、コロコロや粘着テープなどで取ってあげるのがベストです。

換毛期などで多くの抜け毛がついているという場合には、霧吹きなどで軽み水をひと吹きしてから手で円を描くようにさすると毛がまとまって取れます。

あらかたまとめて毛を取り除いた後に、コロコロで細かな毛を取り除いてあげると、コロコロの節約にもなりますよ。

まとめ

猫の抜け毛対策は、こまめなブラッシングなどのケアがおすすめです。

ダブルコートタイプの猫ちゃんの場合には、換毛期に合わせてシャンプーなどをしてあげるのも良いでしょう。

毛が長く暑さに弱い子などは、トリマーさんと相談をしてサマーカットをしてあげるのもひとつの方法です。

面倒でもこまめに抜け毛対策を行うことで、部屋の汚れだけでなく猫ちゃんの皮膚炎予防にもつながります。

猫ちゃんとの快適な暮らしのためにも、簡単なことから抜け毛対策に取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

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